サム・フランシスと「日本の間合い」
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その「色」をキャンバスに投げつける様に描く「スカイ・ペインティング」のサム・フランシス。
それは東洋の書道の様に、色彩書道?と呼べるような美意識の息づかいの「にじみ」「水泡」「垂らしこみ」...などの技法を駆使し彼の抽象画は生まれている・・・
そしてそこには、美しい色彩とキャンバスの余白に「日本の間合い」が息づいている・・・
"Untitled" unknown サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
サム・フランシス
Sam Francis(1923年〜1994年)
1923年カリフォルニア生まれ、カリフォルニア大学バークレー校で植物学、心理学、医学を学ぶ。
第2次世界大戦の1943年には兵役のため休学し空軍パイロットを志願するが奇しくも飛行機事故で負傷、病床生活をおくる中で絵を描き始める・・・サム・フランシス21歳
戦争は終結し1947年には退院できるまでに病状も回復し、幼なじみと結婚後パリへと旅立ち、白を基調としたシリーズ作品「ホワイトペインティング」発表、1959年、ニューヨークで生涯のスポンサーとなる石油の出光興産の創業者、出光 佐三(いでみつ さぞう)と出会い、現在の出光美術館に300点余が収蔵されている・・・
1959年頃から日本人女性と再婚後、パリ~ニューヨーク~東京のスタジオを行き来し、日本美術と禅に通じ、勅使河原蒼風、大江健三郎、大岡信、小山富士夫などの日本の文化人や「具体」などとも交流を重ね、腎臓結核を患いながら「ブルーボール」(男性の欲求不満を意味するスラング)と呼ばれるシリーズを手掛け、1962年には拠点をカリフォルニアに移し、1968年にはパリのポンピドゥーセンターで個展を開催している・・・
「ホワイト・ペインティング」 "White Painting" 1950年|油彩・カンヴァス|203.1 x 163.2cm(昭和40年度 山村家より寄贈) 国立西洋美術館蔵|National Museum of Western Art. Tokyo, Japan. サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
白を基調としたシリーズ作品「ホワイトペインティング」↑ と「ブルー・ボールズ」↓
"Blue Composition on White Background, 1960" (1960年代前半を代表する「ブルー・ボールズ」シリーズ) Oil on canvas|150 × 90 cm レンヌ美術館蔵 フランス, レンヌ|Musée des Beaux-Arts de Rennes, Rennes サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
第2次世界大戦後ヨーロッパでは、アンフォルメルの抽象画が全盛を極め、ニューヨークではポップ・アート(pop art)が主流の時代を迎え、1960年からのベトナム戦争、1966年頃にはアメリカ西海岸のヒッピーからサイケデリックへ、1970年代には落書きをすることから始まったストリート・アートが登場する・・・
サム・フランシスも乾きの早いアクリル絵具を用い、色の透明感の美しさを加味、多色化に表現手法も変化し、大きな作品が生まれている・・・
"Untitled" unknown サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
日本人が作り上げた画面の余白は、
金箔の襖絵にみられるように、
金箔雲の間から覗き見る京の街並みや、
山水画に花鳥風月の、
何も塗らない生地のみの「余白」・・・
"Untitled 1975" サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
書のもつ文字の意味を表現するかの、墨と紙の絶妙な間合いや・・・
"Middle Blue 1957" サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
我々日本人が何も考えず、
日頃から床の間に生けられた掛け軸や
そこに生きずく生花との間合い、
それは季節ごとに変化し・・・
頬や体に触れる通り過ぎる季節の風が運ぶ
自然が持つ季節ごとの空気感・・・
"All Red 1964" サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
その余白を持ってよりいっそう張り詰めた美を生み出す、
それは、古来より育まれてきた日本的「美意識」の「余白美」・・・
サム・フランシスはそれらを見事に「色」で置き換えたのだろうか?
"TOWARDS DISAPEARANCE 1973" Color Silkscreen|94 x 79 cm サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
1981年、生涯のスポンサーの出光 佐三の死去後は虚無感が漂い・・・
「無題」 "Untitled" サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年) |
晩年の作品には、
日本画の間合いの様な色彩書道?の踊るような色彩の美は色褪せ、
1994年、癌による合併症で71年の生涯を終えた・・・
Acrylic on Paper|75 x 56 cm
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サム・フランシス:Sam Francis(1923年〜1994年)
(以下・参考サイト)
サム・フランシス(Sam Francis, 1923年6月25日 - 1994年11月4日)は、20世紀のアメリカの画家。 ... また、出光興産社主であり、東洋古美術のコレクターとして知られた出光佐三は、フランシスのコレクターとしても知られ、現在も東京の出光美術館には多くの ...
https://ja.wikipedia.org/wiki/サム・フランシス
http://www.wikiart.org/en/sam-francis
投げつける「スカイ・ペインティング」のサム・フランシス
http://giovannikki.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-3374.html
世界現代美術作家情報
http://kousin242.sakura.ne.jp/wordpress/aaa/世界の洋画家/スペイン/サム・フランシス/
http://allabout.co.jp/Ad/202187/1/product/202187_3.htm
http://www.sakuranoki.co.jp/artists/sam_francis
http://www.sakuranoki.co.jp/karuizawa/100801/index_k0801.htm
色彩は絶対のフォルムだと言えないか? (サム・フランシス)
http://shoyo3.hatenablog.com/entry/2015/04/22/203000
サム・フランシス/Sam Francis作品画像コレクション
http://matome.naver.jp/odai/2130597772220470601
http://nantenshi.com/artists/francis_sam.php
http://www.samfrancis.com
http://samfrancisfoundation.org/about-sam/biography/
https://www.artbrokerage.com/Sam-Francis
http://www.danubiana.sk/en/artists/sam-francis
http://www.danubiana.sk/en/exhibitions/retrospective-in-blue
https://www.artbrokerage.com/Sam-Francis
http://www.ne.jp/asahi/love/art/archives/bt7402.html
http://matome.naver.jp/odai/2130597772220470601
http://shoyo3.hatenablog.com/entry/2015/04/22/203000
http://www.sakuranoki.co.jp/artists/sam_francis
http://www.elephanttour.com/la/attraction_detail.php?skip=11&
https://tokiosasaki.wordpress.com/tag/sam-francis/
出光美術館|出光コレクション|サム・フランシス
http://www.idemitsu.co.jp/museum/
http://www.idemitsu.co.jp/museum/collection/index.html
http://www.idemitsu.co.jp/museum/collection/introduction/artist/index.html
出光美術館(門司)
http://topofswan.tea-nifty.com/local_stamps/2013/01/post-7712.html
http://www.wikiart.org/en/sam-francis
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